2020年12月30日

いまさら株券発行の話_1

株券は、会社法施行時に不発行が原則となった。実際、世の中の大多数の会社は株券など発行しておらず、そのほうが実態に即しているはず。
ただ、あえて株券を発行するというニーズは、存在する。。。

その一つが、株式を担保に取るとき。
上場株式だと、倒産して紙切れになっていなければ、流動性が極めて高い優良担保となる。そして株券は保振のデータ登録だけで発行されておらず、担保権設定は証券会社を通じてデータ登録され、対抗要件OKとなる。

では、非上場株だとどうか。
そもそも非上場株式は明確な価格がなく、価格算定方法もいくつもあり、しかも簡単には現金化できず、担保としては魅力的なものではない。なので、非上場株式を担保に取るのは、いわゆる添え担保を入れさせるようなものに過ぎない。

そんなものでも、何もないよりはましだ、ということで、自社の株式を担保に取られるような場合は、その会社は行くところまで行っているのが現実。
債権者としては、最大限の回収努力をしようとすると、まずは対抗要件を、となる。
では株式担保の対抗要件はというと、株券を不発行だと株主名簿に記載となる。・・・株主名簿なんか、会社が自分で書いているだけでしょう、債権保全という観点からは、何の価値もない、無価値っ。

そうすると、定款変更して株券発行会社にしたうえで、株券を発行するというニーズが出てくる。
株券を発行させて、その占有をすれば、対抗要件具備。こっちのほうが断然わかりやすいし、安定感がある。登記済証と同じね。
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2020年12月09日

民事再生中の増減資_4

民事再生において、スポンサーに事業譲渡する場合は裁判所の許可を得ないといけない。手続き、対価の妥当性などを担保するためかね。条文にも書いてある。

じゃあ、会社分割だとどうか。不動産を承継する場合など、不動産取得税の問題もあるので、事業譲渡よりも会社分割を使いたい場合もある。
しかし、民事再生法では会社分割については触れられていない、どのような扱いとなるのか。

シンプルに考えると、不当な価格でスポンサーが引き受けるとよろしくないので裁判所が事業譲渡に許可をする、価格の妥当性の話は会社分割でも同じ、よって裁判所の許可を得る。ということになる。
・・・しかしこれはどうやら統一見解ではないようで、裁判所によっては許可が不要なところもある。条文に書いてないから、ってこと?そんな重要なこと、何も見ないでいいのかね?債権者への配当に直結する話なんだから。。。

それとは関係ないが、東ハトは本邦初、いまとなっては当たり前のプレパッケージ型民事再生だが、(裁判所が言ったわけではないのだろうけど)入札のプロセスがおかしいとかで入札がやり直しになった、なんていうこともあった。
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2020年12月03日

民事再生中の増減資_3

再生計画に基づきプロセスをすっ飛ばした増減資をやるときは、計画認可の裁判書を付けないといけないが、この裁判書がだいたい1枚もので「計画を認可する、以上」、みたいなやつ。

それを付けて申請したら、計画本文と合綴したようなのはないのかとか言われた、そうしないと裁判書との同一性が分からないって。そんなこと言われたのは初めてなんですけど。。。
それで仕方ないから裁判所に電話して聞いたら、ずっと1枚もので出している、それ以外出せないって。そりゃそうだ。

うそついて増減資する再生債務者はいないと思うんですけど・・・それにうそついてやった謄本を提出して裁判所に履行状況報告すると大変なことになりそうだ・・・。
いかにも法務局的発想だが、確かに民再の計画で本文まで綴じ込まれたのは記憶の限りでは見たことないなー。
でも、これが契約書とかで契印がなかったりすると、絶対に押してくれとか言いそうだけど、裁判所の書類だとあっさり認めてくれるんだね。
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2020年11月24日

民事再生中の増減資_2

民事再生法における増減資は、条文がとびとびになっていて、わかりにくい。
たぶん、こちらの思考回路とは違う切り口で規定されているのだろう。
考えの流れと、条文の順番があわない。。。

こちらの思考回路だとこんな感じ↓
まず、会社法の例外がある。
計画で増減資を規定することができる。154条
そのためには裁判所の許可が必要。166条、166条の2

次に、増資の決定事項についての手順。
募集要項、減資の内容を計画に入れる必要あり。162条、161条
募集要項は取締役会で決めることができる。183条の2
減資においては債権者保護手続き不要。183条

その次に、登記の手続きの手順。
登記においては計画確定の裁判書を添付。
本当に、とびとびでわかりにくい。

株主総会を経ないでできたり、減資時の債権者保護をすっ飛ばしたりできるようにして、とにかく早急に資金を突っ込めるようにする、というのが狙いだろうか。
再生型手続なので、裁判所の許可を条件に、事業価値の維持をやや優先するということで。

もっとも、
債権者保護は、民事再生手続き全体ではかられているから当然不要といえば不要か。
株主権については、紙切れになっている(株式は不発行だからなんというのか。。。データ切れ?)から、無視されて当然ね。
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2020年11月20日

民事再生中の増減資_1

民事再生は、最近はもうスポンサーがいないと実質的に使えなくなっているのかな。
債務のカットなどという、非連続的な手法を使わないと整理できないほどに悪くなっているのだから、経営も既存の延長だとうまくいかない、非連続的な展開が必要な気がする。

そうすると、スポンサーをどうやって入れるのかということになる。
事業譲渡や会社分割で事業を抜き出して、事業譲渡なら事業を、会社分割なら新会社株式を買ってもらう、というのがわかりやすい。私的整理と一緒ね。

ただ、民事再生に特有のものとして、ゼロ減資+増資というのがあり、条文で規定されている。許認可等の関係で、どうしても既存のハコを使わないといけないときに用いられるのだろう。
じゃあ、どう書かれているの?こんな事案だと、結局条文しか頼りになるものがないから、必ず読むべし。

そういうわけで条文を読んでみると、あちこちにとびとびになっていてややこしい。。。
posted by げんちゃんブログ at 10:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 再生

2020年10月16日

企業担保_2

ところで、実際に企業担保を設定したとする。
企業担保はどうやら抵当権や質権等の一般的な担保物権すなわち別除権には劣後する、当たり前といえば当たり前。

そうすると、担保力という意味では企業全体の価値からそれらの価値を引いたものになり、査定が極めて困難となり、積極的な評価はできない。
すなわち、破綻時にはあわよくば一般債権者よりは優先してね、という程度のもの、いわゆる「添え担保」みたいなものに思える。

第三者への流通を想定している債券の担保としては、優先権が認められ価格査定がしやすいものの方がいい、商業不動産担保や居住用不動産ね。
こういうのは、CMBSやRMBSになっている。賃料というわかりやすいキャッシュフローと、比較的わかりやすい必要経費、価格変動はあり得るが優先充当権のある抵当権が裏付けとなっている。
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2020年09月22日

企業担保_1

業績不振企業に対して与信を行うので、対象会社が保有する資産をすべて包括的に担保に取るようなことができないか?
こういうニーズはありそうだが、当事者間で契約をしただけだと、法的整理の局面に移行した場合は、別除権としては認められない。

じゃあ、既存の法制度の枠組みで、そういうことはできないものか。。。
企業担保権というものがあって、企業の資産を包括的に担保に取る、というものがあるとずいぶん前に聞いた記憶があった。
実際に、抵当権とかとられているものは仕方ないけど、それ以外のものを全部取りたい、そういうことができないかと聞かれたので、改めて調べてみた。

そうすると、社債を発行した場合の保全として、企業担保というものを設定できるらしい。
・・・社債発行だから、コストもかかるし信用不安な事業体だと、でっきませーん。

代替案としては、面倒くさいけど金目の資産をピックアップして、債権なり動産なりの譲渡担保を設定するという、王道かつ泥臭い力仕事、ということかな。
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2020年07月06日

イレギュラー満載_その3

新会社にて、買収資金を銀行から調達するので、根抵当権の設定をする。。。2行が同額同順位で出すんだって。
(あ)(い)を忘れちゃだめよ。
買収資金の借入人は、新会社かと思いきや新会社の親会社だと。
そうすると、そう、利益相反の問題が起きる。もう、根抵当権で設定者と債務者が違うと条件反射的に利益相反、それが正解。

設定の委任状は銀行が徴求していたんだけど、まえもって変更後の新代表者でもらっている、当日は実行あるのみってね。
一方でこちらで準備した原因情報は旧代表者で作ってるから、やりたくないけど訂正印で変更。

いろいろ問題点があったけど、これが5管轄分、200筆。。。
あらゆる注意事項満載の、アクロバティック、テクニカルかつトリッキーな案件、いい復習になった。
さすがに根仮はなかったけど。

登録免許税が高額なので、電子納付に対応できず。結局、金額の大きいところは印紙を持参、これはほぼ1日ドライブだったので楽しかった。電子納付の限度額を上げとけって話だけど。

細かい補正がちょこちょこあったので最終Doneまで2か月くらいかかった。
受付は当日全管轄とったから、最後の管轄の担当官なんかあきれてたんじゃないのかね、ごめんなさい。
言い訳すると、こんな複雑骨折したような案件は一発100点は無理、ストライクゾーンを外さずに当日ねじこむので手がいっぱい。

法務局レビューを受けて素直に補正すべし。

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2020年07月03日

イレギュラー満載_その2

義務者は、法人以外に個人で持っているものもあって、分割にできないから売買で動かす。当然ながら個人分割はない。
結局、登場する売主は5名、一部は共有になっている。

当然ながら?一部に権利証がない人がいて、じゃあ免許証もってきてねってことにしようとしたら、公証役場での本人確認をしてくるんだって。
こうなると、もうちゃんとしてきてね、何かあったら追完にお付き合いくださいね、ってことにするしかない、こちらでコントロール不能。

売買対象の土地の一部に農地が。その部分の買受は農地所有適格法人でないといけないから、2人目の買主が登場。5条許可はとってくれたけど。

農地の一部に現況宅地の部分があり、その部分は5条許可の範囲外にしないといけないけど、そのためには分筆と地目変更が必要だと。したがい、その部分は許可が間に合わず、仮登記にて申請。
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2020年06月30日

イレギュラー満載_その1

とある吸収分割と所有権移転の事案にて。

旧会社側と、新会社側で申請代理人が違う。債務者代理人側で旧会社側の手続きをするんだって。
吸収分割の新旧会社が、分割前に商号本店変更。新会社は、代表取締役も変更。
新会社が、分割時に資本を増加。(直前まで、見落としていた・・・)
これくらいならまあいいよ。

同時に、不動産の所有権移転もする。
抹消は債務者代理人側で済ませてくれるので面倒じゃないけど、移転の原因証書とかも作ってくれるって。こちらの申請にかかわるから中身を全く見ないわけにはいかず、さっと見ようと思ったけど、人が作ったものの確認は意外と時間がかかる。。。

途中であきらめて、自分の申請書は間違えない、最悪何かあったら他人のせいにできるという前提のもと、正しいものと思うことにした。
posted by げんちゃんブログ at 05:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 再生